オオクワガタ解説
≪ 産卵 ≫
◆ 交尾
成虫は羽化してから成熟し交尾可能になるまで、後食開始後1ヶ月以上必要となる。
♂は縄張りに♀がやって来ると、触覚で同種である事を確かめ、普段は羽の下に隠れている交尾器を伸ばし、後脚で♀の上翅をさすり求愛行動をとる。
求愛に応じた♀は羽の下から交尾器を伸ばし、V字になるようにして交尾を行う。
交尾は1回行えば、越冬後、翌年に交尾を行わなくても産卵することがある。
◆ 産卵

産卵のため、朽木を食い進む♀
交尾を終えた♀は、クヌギやコナラなどの広葉樹の朽木に産卵する。
比較的湿度の少ない固めの半枯れや立ち枯れ部分、カワラタケなどの木を白く腐朽させる白色腐朽菌により腐った部分を好む。
産卵に適当な朽木が見つかると、♀は大アゴで直径5mmほどの小さな穴を開け、そこに1つずつ卵を産み付ける。
その後、前脚を使って穴を木屑で埋め戻し、また別の場所に穴を開けて産卵を繰り返す。卵を1つ産むのに2時間以上かかる。
また、固い朽木の場合は表面に傷をつけて産卵するが、比較的柔らかい場合は朽木内に坑道を掘り、潜り込んで産卵していくこともある。
1回の産卵で約20個〜30個の卵を産み、これを1年に2〜3回繰り返す場合もある。
◆ 卵

朽木に産み付けられた卵
産卵直後の卵は楕円形をしているが、回りの水分を吸収しながら直径約3mmの球形になり、色も乳白色から黄色味を帯びてくる。
周りの温度によって孵化するまでの期間は異なり、温度が高ければ約1週間で孵化し、気温が低い場合は10日から2週間かかることがある。