Practice Makes Perfect/白毛門・笠ヶ岳
白毛門山頂(標高1,720M)から谷川岳を臨む
笠ヶ岳山頂(標高1,852M)から谷川岳を臨む

土合橋駐車場から出発
いきなり道を間違えハナゲの滝に来てしまった
登山口まで戻って仕切り直し。37分ロスした
ヘビのようにうねった木の根にすがりながらの急登区間
岩場で日向ぼっこしていた2メートルほどあるアオダイショウ
白毛門までひたすら続く辛い急登セクション
松ノ木沢の頭(標高1,484M)
目指す白毛門
もう少しで山頂
白毛門山頂から笠ヶ岳と朝日岳
笠ヶ岳に向かって出発 谷川岳の眺望が眩しい

笠ヶ岳山頂
朝日岳に向かって笠ヶ岳を下る
笠ヶ岳避難小屋にて朝日岳を断念

白毛門(しらがもん)・笠ヶ岳

2018年6月22日(金曜日)

 山登りにおいて山勘の狂いは致命的である。
 何しろ自分の行動の誤りに気付かないのだから、遭難フラグを立てられたも同然である。あとはそれに気付いたとき如何にパニックにならず、冷静にリカバリーできるかが自力生還の鍵となる。
 遭難救助要請をしたが最後、それは登山趣味におけるアイデンティティーの放棄であり、公に迷惑を掛けたケジメとして登山をやめようと思っている。

 今回はスタートから道を誤っていた。
 駐車場を出てすぐ右に分岐した登山道があった。標識こそなかったがよく踏まれた道で、滑りやすい箇所には補助ロープが施されており、誘われるように踏み込んで河原に出たところで間違いに気が付いた。地図を検(あらた)めるとどうやらハナゲの滝に来たらしい。川の対岸に道を探したが見つからないので、仕方なく元の駐車場まで戻って登山をやり直した。
 何のことはない、先ほど誤って入った分岐のすぐ先に、白毛門登山口の標識と登山届のポストが、間抜けを嘲笑うかのように立っていたのである。
 ただでさえ白毛門と朝日岳を日帰り往復するには、遅くとも6時には登山を開始しなければならない。しかし仕事疲れから土合橋の駐車場に着いたのがすでに7時近くだった。そのうえ37分のタイムロスを犯したとあっては、もはや朝日岳は諦めるしかない。とりあえず白毛門まで登り、余裕があれば次の笠ヶ岳まで登って帰ろうと折衷案に切り替えた。

 白毛門まではひたすら急登が続き、これには閉口した。土合橋から白毛門まで標高差は1,000メートルほどだが、そのほとんどがむき出しの木の根にしがみついて、這うように登らねばならない。少し登ってはプロトレックの高度計をチェックしなければならないほど気持ちを集中できず、後600メートル、後500メートルと、挫けそうになる気力を振り絞るようにして登った。地図上参考区間タイムの3時間30分を切るのは不可能と思われたが、それでもどうにか2時間47分で辿り着いた。
 関東は梅雨の最中にも拘(かかわ)らず、この日は好天で気温も高い。谷川岳の眺望が眩いほどだったのが、せめてもの慰めだった。

 白毛門山頂から見る笠ヶ岳から朝日岳にかけての縦走路は、穏やかな丘陵の様な稜線で、それまでの急登から比べれば遥かに楽に見えた。山頂滞在時間9分で笠ヶ岳へ向かった。
 笠ヶ岳への登りは予想に反し、見た目以上にきつかった。道の付け方がきつく、思うように足が上がらなかった。地図上参考区間タイムの55分では到底不可能と思われたが、なんとか53分で辿り着いた。
 山頂を無休憩でスルーし、鞍部の避難小屋まで降り、朝日岳への登りに取り付いたところで足が止まった。集中力が途切れヘロヘロになっていた。もう一段階力を振り絞ろうとしたが、帰りの余力を考えるとこれ以上は足が前に出なかった。
 日帰り登山では12時にはターンせねばならないというマイルールに則り、残念ながらここでタイムアウトとした。朝日岳は断念した。

●登山データ
2018年6月22日(金曜日)
土合橋駐車場(標高690M)→白毛門(標高1,720M)、標高差1,030M
土合橋駐車場(標高690M)→笠ヶ岳(標高1,852M)、標高差1,162M

土合橋駐車場(7時00分出発)→ハナゲの滝(7時25分)→土合橋駐車場(7時37分)、道迷い37分のロスで仕切り直し

土合橋駐車場(7時37分)→松ノ木沢の頭(9時37分)→白毛門(10時24分)、登り所要時間:2時間47分
山頂滞在時間:9分
白毛門(10時33分)→笠ヶ岳(11時26分到着)、所要時間:53分、土合橋駐車場からの所要時間:3時間49分
→笠ヶ岳避難小屋(11時30分)、朝日岳を断念
→笠ヶ岳山頂(11時40分)
山頂滞在時間:20分
笠ヶ岳山頂(12時00分)→白毛門(12時43分)→松ノ木沢の頭(13時20分)→土合橋駐車場(14時52分到着)、下り所要時間:2時間52分
登山のみの全行程:7時間15分
ハナゲの滝を含めた全行程:7時間52分

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