関東最大級のウィンターパークを自称するスキー場で、データ的にはゲレンデトップからベースまで、最長3kmのロング滑走が楽しめる。 とはいえ、何か物足りないゲレンデである。確かに距離は長く、コース幅も充分なのだが、全体的には緩斜面を何箇所かの短い中斜面でつないだだけの、どこを滑っても同じような印象であり、繰り返し滑走の意欲はあまり湧いてこない。何度でも訪れたい塩原温泉をほぼ独占できる立地にありながら、スキー場自体にリピート衝動を駆り立てられる要素を見出せないのは、もったいない限りと言う他ない。 しかし集客は多く、ボーダーとスキー教室の児童で大変賑わっている。これはおそらく、スキー場のコンセプトが、客に安全な滑走を提供するということであり、そうしたニーズに支持されているという現われと思われる。 日塩もみじラインの通行料は帰り払いで通常は600円だが、スキー場の売店で通行券を500円で購入できる。 日塩もみじラインを塩原温泉方面に下り、料金所を過ぎると奥塩原温泉新湯(あらゆ)の旅館街が軒を連ねている。 2012シーズンは、福島原発事故の風評被害を受けてのことなのか、スキー場のリフト券を提示することで、多くの宿泊施設の温泉に半額で入れる他、温泉饅頭など、お土産の割引サービスも行っている。 |
奥塩原温泉新湯/湯荘白樺 |
共同噴気泉(なかの湯)/単純酸性硫黄温泉【硫化水素型】(酸性低張性高温泉)
湯荘白樺 掛け流しの酸性硫黄泉
源泉温度79.2℃、pH=2.6、湧出量毎分120リットル、蒸発残留物=440mg/kg
ハンターマウンテンから塩原温泉方面に下り、料金所を過ぎたところに奥塩原温泉新湯の温泉街がある。
その核心部である湯畑に最も近い宿泊施設が、湯荘白樺である。
公衆トイレもある駐車場のすぐ後ろに噴気が濛々と立ち上る湯畑があり、宿の表と裏に2つの共同浴場が隣接している。湯荘白樺のお湯は、この裏手の中の湯と同じ源泉である。
お湯は白濁した酸性硫黄泉で、湯上がり後も長く硫黄の香りが肌に残る。
2012シーズンは、ハンターマウンテンのリフト券を提示することで、入浴料が半額の250円になった。
入浴料:通常500円/立ち寄り時間:10時〜20時
(2012年1月)
寺の湯 |
酸性含硫黄−アルミニウム−硫酸塩温泉【硫化水素型】(酸性低張性高温泉)
寺の湯 混浴風呂
源泉温度74.3℃、pH=2.2、湧出量毎分10リットル、蒸発残留物=2,173mg/kg
湯荘白樺のすぐ下にある共同浴場で、3箇所ある共同浴場の中で唯一混浴である。
駐車場はないので、湯荘白樺のお風呂を利用した後、大旦那に共同浴場巡りの間の駐車場の継続利用をお願いすると、応諾してくれた。
新湯の宿泊客は共同浴場を無料で利用できるが、立ち寄り者は入り口備え付けの料金缶に入浴料300円を入れる。
浴舎への入り口はひとつで、脱衣所は左右2箇所に分かれているものの、仕切りは一切なく、男女の表示すらない。浴室への引き戸は左右ふたつあるが、浴室はひとつである。
私が訪れたときは入り口が施錠されていたため、湯荘白樺に戻り、大旦那に鍵を借りて入った。誰も入っていなかったので、お湯はとてつもなく熱く、2層ある浴槽のどちらも同じくらいの温度だった。ホースで加水して入った。
白濁したお湯は硫化水素臭が強く、舐めると酸っぱく、肌もビリビリする。
入浴料:300円/入浴可能時間:7時〜18時/清掃日:不定
(2012年1月)
むじなの湯 |
酸性含硫黄−カルシウム・アルミニウム−硫酸塩温泉【硫化水素型】(酸性低張性高温泉)
むじなの湯 重油のような臭いがする
源泉温度58℃、pH=2.8、湧出量毎分6リットル、蒸発残留物=1,056mg/kg
湯荘白樺の前の階段を70段ほど下った場所にあるのが、共同浴場むじなの湯である。更衣室も浴槽も男女別になっている。
湯畑から少し離れているためか、温度はちょうど良かった。3つの共同浴場の内、ここのみ重油のような不思議な臭いがした。
入浴料:300円/入浴可能時間:7時〜18時/清掃日:月曜・金曜9時〜16時頃
(2012年1月)
中の湯 |
共同噴気泉(なかの湯)/単純酸性硫黄温泉【硫化水素型】(酸性低張性高温泉)
中の湯 男女別の酸性硫黄泉
源泉温度79.2℃、pH=2.6、湧出量毎分120リットル、蒸発残留物=440mg/kg
湯荘白樺のすぐ裏にある共同浴場で、お湯は湯荘白樺と同じ。
男女別に分かれている。温度はちょうど良かった。
入浴料:300円/入浴可能時間:7時〜18時/清掃日:不定
(2012年1月)
関東最北の地、那須岳に斜面を構えるマウントジーンズであるが、積雪量はあまり多くない。 幅の狭い、カリカリに凍ったアイスバーンというイメージが強く、ゴンドラでスキー場トップに上がってみると確かに肯ける面もあるが、幅もまずまずというコースもちゃんとあり、雪質もさほど悪くはない。 1kmほどのコースがいくつか並ぶが、見た目よりも意外に斜度があったり、意外に速度が増したりするので、意外に滑り応えがある。 座り込みや暴走ボーダーが多く、事故を起こさないためにも油断は禁物だ。 スキー場の前には、栃木と福島の県境を縦断する那須甲子(なすかし)有料道路が通っているが、東北道・那須高原スマートインターからアクセスすれば、料金所直前の駐車場に入れられ、そこからエスカレーターでゲレンデに上れるようになっているので、通行料金を支払う必要はない。 ※【2024年3月10日を以って営業終了】 |
北温泉/北温泉旅館 |
北温泉
駐車場から350M の下り坂 北温泉旅館 相の湯 相の湯湯小屋と温泉プール
相の湯/単純温泉(中性低張性高温泉)
源泉温度49.6℃、pH=6.7、湧出量毎分59.4リットル
天狗の湯/源泉温度54℃
河原の湯
北温泉に行くには、通行料360円の那須高原道路を上らねばならず、マウントジーンズからだと、更に930円の那須甲子道路を走るか、遠回りになるが一度山を下って那須湯本温泉経由で上りなおすかになる。このふたつの有料道路、冬季は圧雪路であり、特に那須高原道路は勾配も増すので、スタッドレスタイヤかチェーン装着でなければ上れない。
那須高原道路を途中で分岐し、更なる雪道を1.2km弱走った突き当たりが駐車場である。ここから宿まで約350メートルの歩きで、階段を降りたところには、宿への直通電話が設置されている。
駐車場からは谷川まで下る坂道で、冬季は雪道である。荒縄が用意されているので、靴が滑りやすい場合は、滑り止めに縛り付けて行くと良いだろう。およそ5分で宿に到着する。
江戸時代から続く奥那須の湯治湯・北温泉旅館は、単純泉、弱塩泉、鉄泉に近いものと、複数の自家源泉を持っており、庭に温泉プールを造ってしまうほど湯量が豊富だ。
帳場のある本館は年季の入った黒光りする木造で、目が慣れるまで室内は薄暗く、低い天井の迷路のような通路を歩いていると、江戸時代の人たちの情緒なども想像でき趣がある。
まず帳場から左奥に板張りのスロープを上って行くと、混浴の天狗の湯がある。壁に巨大な天狗の面が掲げられた浴室は、混浴というにはこじんまりとしており、男女共用の脱衣スペースは狭く、しかもオープン構造なので、風呂からも廊下からも丸見えである。湯治場ということで、これも江戸時代の情緒であろうか。
一度服を着て、迷路に迷いながら、昭和になって建てられたであろう別館を通って、土蔵倉のような扉を抜けると露天風呂に出る。こちらの施設は新しく、男女別である。
更に服を着て、下駄を履いて表に出ると、相の湯と温泉プールがある。
相の湯も脱衣所、浴室ともに男女別である。お湯はどれも源泉掛け流しであるが、無色透明無味無臭の前述ふたつと少し違い、この相の湯は僅かに鉄味がある。
温泉プールは割愛。自遊人温泉パスポートを使用。なお、帰路は上り坂なので、体温は維持され、湯冷めの心配は少ない。
立ち寄り入浴時間:8時30分〜16時/入浴料:700円
(2007年1月)
那須湯本温泉/鹿の湯 |
鹿の湯と行人の湯の混合/単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)/低張性酸性高温泉)、源泉温度53.7℃、pH=2.4、蒸発残留物=1009mg/kg
鹿の湯 玉藻前を封印していた殺生石
11月中旬に那須岳登山に訪れたが、早朝の峠の茶屋駐車場は暴風雪に見舞われていて、朝8時少し前まで様子を見たが勢いが収まらないので、やむなく登山を諦め少し降りた那須温泉・鹿の湯に立ち寄った。
浴槽は男湯で六つあり、手前から41℃、42℃、43℃、44℃、46℃、48℃と、それぞれ温度が異なっている。最初に掛け湯で体を洗い流し、温度の低い浴槽から順に浸かって行く。44℃は普通に何分でも入れるが、48℃は肩まで浸かってわずか3秒しか耐えられなかった。ひとつの浴槽は4人も入ればいっぱいで、人気があるゆえ平日でも8時のオープン前から客が並び始め、8時半頃には手前の浴槽から埋まって行くので、あいているのは奥の46℃と48℃しかない状態になってしまう。100円のコインロッカーあり。
営業時間:8時〜18時/入浴料:500円/年中無休(メンテ休日あり)
鹿の湯のすぐ上に玉藻前(たまものまえ)こと九尾の狐を封印した殺生石を見ることができるが、2022年3月に真っ二つに割れてしまい、封印が解かれたのではと話題になった。
(2022年11月)
大丸温泉「相の湯」/休暇村那須 |
単純温泉(中性低張性温泉)
休暇村那須
源泉温度73.7℃、pH=6.4、湧出量毎分92.6リットル(自然湧出)
前年失敗した那須岳登山を果たした帰りにロープウェイ山麓駅のすぐ下にある大丸ガーデンの風呂に寄る予定だったが、やってないようだったので、もう少し下がった休暇村那須に立ち寄った。
二つの内風呂の他、露天風呂もあり、貸切状態だったので登山疲れをゆったりと癒せた。
無料の鍵付きロッカーあり。
営業時間:11時30分〜15時/入浴料:880円
(2023年9月)
鬼怒川温泉と塩原温泉を結ぶ有料道路日塩もみじライン上にあるスキー場で、上部の緩斜面とベースの緩斜面を途中短い中斜面で結んでいるゲレンデ構成である。初心者ボーダーが客層の大半を占め、そういう層からの支持が高いことを窺わせる。 降雪量が少ないため、2箇所ある短い不整地は土が出ており、全体規模の割にターンを楽しめる斜面がなく、リフトを降りたらただ真っ直ぐ滑り、途中の落ち込みで何回かターンをして、後半また真っ直ぐ滑るというその繰り返しで、これを一日続けるのは滑りを楽しみたい向きには非常に辛いものがある。 日塩もみじラインの料金所は出口払いであり、通常600円の通行料金も、スキー場で通行券を購入すれば500円で済む。 東北道宇都宮インターから日塩もみじラインを利用する場合、日光宇都宮道路(¥200)、鬼怒川有料道路(¥250)、日塩龍王峡区間(¥150)など、何かと通行料の掛かるエリアである。 |
川治温泉/薬師の湯 |
共同浴場源泉/単純温泉(弱アルカリ性低張性温泉)
薬師の湯
源泉温度36.3℃、pH=8.0、湧出量毎分830リットル
スキー場から日塩もみじラインを降りたところの十字路を川治温泉の標識に従って右折し、5kmほど走れば温泉街にたどり着く。その温泉街を通り越すと薬師の湯左折の看板が2箇所出ており、2箇所目を左折すると変電所の敷地内のような道を通って河原に降り、行き止まりが駐車場である。
薬師の湯は以前は風情のある河原の露天風呂だったが、平成21年4月に全面リニューアルし、周囲も公園のように整備されている。
内風呂とサウナがあり、源泉掛け流しのお湯は無色透明無味無臭、若干の湯ノ花が漂う。
営業時間:10時〜21時/入浴料:500円/毎週水曜日定休
(2010年1月)
日光湯元温泉街に隣接するゲレンデはごく小規模で緩い斜面ばかりだが、子供達のスキー修学旅行で活況を呈している。リフト乗り場には絶えず子供達の待機列ができ、そりゲレンデに集まる親子連れなどでレストハウスも結構混んでいる。 休暇村日光湯元の駐車場が使えるので、ゲレンデ至近までクルマで入れるが、ゲレンデベースからリフト乗り場までは若干歩いて登らねばならず、スキーには登りもありという原点をあらためて感じさせる。 |
日光湯元温泉/休暇村日光湯元 |
奥日光開発1,2,3,4,5,6,7号森林管理所源泉混合泉、含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉(硫化水素型)
休暇村日光湯元
源泉温度70.3℃、pH=6.6、湧出量毎分330リットル
多くの宿泊施設で日帰り入浴に対応しているとのことだったが、最初に訪れたホテルが今日はやってませんと出鼻を挫かれたため、駐車場を利用させてもらった休暇村のお風呂に立ち寄った。 内風呂のお湯は乳白色で、僅かに重油のような焦げ臭がある。中性なので肌への刺激はない。
露天風呂は無色透明で、大きいのとは別に、一人用の小さな湯船が二つ置いてある。
営業時間:12時〜16時/入浴料:900円
(2019年1月)
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