志賀高原

熊の湯スキー場
志賀草津道路
志賀高原/熊の湯・横手山・渋峠

冬季の志賀高原は中野市側から上るしかないが、4月下旬になれば志賀草津道路が開通し、群馬側からもアクセスできるようになる。この頃は高さ5メートルほどの雪の壁を見ながらのドライブができるとあって、ノーマルタイヤで上がってくる一般観光客のクルマも多くなる。
ところが高山ゆえに、5月になってからも雪が降ることは珍しくなく、少しでも積もれば、草津スキー場の殺生河原ゴンドラ駅で通行止めになってしまう。
滑り止め装備を怠らないスキー客にとっては歯がゆい限りだが、ここでは悲しいかな、ノーマル使用の一般観光客が基準となってしまう。
標高2,305メートルの渋峠・横手山スキー場は、概ね5月一杯まで営業しており、少し下がった熊の湯スキー場も、5月中旬まで頑張ってくれる。
熊の湯は開業当初からスノーボード禁止だったが、2016シーズンより同じく禁止だった奥志賀高原ともども解禁されている。

熊の湯温泉/熊の湯ホテル
熊の湯ホテル
熊の湯温泉
飲泉もできる湯口
露天風呂
熊の湯温泉/含硫黄−カルシウム・ナトリウム−炭酸水素塩・硫酸塩温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
源泉温度63℃、分湯枡48.2℃、pH=7.5、蒸発残留物=973mg/kg

熊の湯スキー場のベースに建つ熊の湯ホテル。
源泉はホテルの中庭にあり、ここでのみ、この緑の温泉に入ることができる。
ホームページには入浴受付時間は12時からと書いてあるが、実は12時に行っても清掃直後でお湯は溜まっていない。フロントで13時以降に来てくれと言われてしまう。
フロントで料金を支払ってタオルをもらい、スキーヤーをモチーフにした珍しいカーペットを踏みながら、左手奥の浴室に赴く。ちなみにこのカーペットは土足でO.Kだが、スキーブーツや泥靴では上れない。

お湯は緑色である。湯の中には白く細かい湯ノ花が漂っていて、足元が滑りやすい。
草津や万座と山を一にしているイメージもあるが、やはり白根山からは少し遠いのだろう。僅かに硫化水素臭と、焦げたような臭いのあるお湯は、草津や万座の酸性湯とは違い、ほぼ中性で肌への刺激は特にない。
温度調節のため加水しているそうだが、それでも内風呂は少し熱めの設定になっている。加温と循環はなしの掛け流しである。
湯口にはひしゃくが置かれていて飲泉もでき、味はほろ苦い。
露天の方は湯口は熱いものの、全体としては適当に冷めていて、長湯するのに丁度良い。露天の前に小さい滝があるが、周りを岩やパーテーションで囲まれているので景観は良くない。尤(もっと)も、パーテーションを取ると、そこは駐車場とスキー場を結ぶ道なので、スキー帰りの客から丸見えになってしまうが。

2022年に立ち寄った際は露天風呂が木造に改装されおり、内風呂浴槽の配置、湯口や手すりの位置も変わっていた。2012年当時1000円だった入浴料も1200円に値上げされていた。
立ち寄り入浴時間:12時〜15時受付/入浴料:1,200円(タオル付き)
(2006年5月/2011年5月/2012年4月/2022年4月)
ほたる温泉/硯川(すずりかわ)ホテル
硯川ホテル
内風呂
志賀高原源泉/含硫黄−カルシウム・ナトリウム−硫酸塩・炭酸水素塩泉(弱アルカリ性低張性温泉)
源泉温度71.2℃、pH=7.76、蒸発残留物=1,268mg/kg

志賀高原・前山スキー場とは道路を隔てた対面に位置している硯川ホテル。2010シーズンにはこの前山の急斜面ゲレンデに積もった雪が雪崩を起こし、玄関前に停まっていたバスと乗用車数台に直撃し、押し流されたこれらの車両がエントランスを破壊するという事故があった。
この前山スキー場は昨今の不況のあおりを受けて2010シーズンより営業を休止していたが、思わぬこの年の大雪が急斜面ゲレンデに放置される格好となり、今回の事故につながった。
訪れたこの日も、その傷跡は完全には癒えていなかった。
硫化水素臭たっぷりの緑白色の濁り湯は源泉掛け流しで、ハードなスキーの疲れを癒してくれる。浴後は硫黄の香りが長く肌に残り気持ちがいい。
露天風呂もあるが、入れるのは5月中旬から11月中旬のみで、残念ながらスキーシーズン中は閉鎖している。
入浴料:800円
(2010年4月)
ほたる温泉/志賀高原ホテル一望閣
ホテル一望閣
乳緑色のお湯
志賀高原源泉/含硫黄−カルシウム・ナトリウム−硫酸塩・炭酸水素塩泉(弱アルカリ性低張性温泉)
源泉温度71.2℃、pH=7.76、蒸発残留物=1,268mg/kg

熊の湯スキー場のゲレンデ下に立ち並ぶホテル群の一郭である一望閣。玄関前の駐車場は宿泊者専用なので、熊の湯スキー場の駐車場から歩いて行った。
訪れた日は休館日とのことだったが、日帰り入浴には快く応じてもらえた。
お湯は硯川ホテルからのもので、浴室は硫化水素臭で満たされ、抹茶ミルクのような乳緑色のお湯が浴槽から溢れている源泉掛け流しである。硫黄分が多く、カランにはスケールがこびりついており、よく故障するらしい。訪れたこの日もシャワーが止まらなくなり、ハンドルを押したり戻したりしながらようやく止めることができた。
2018年にスキースクールのスタッフが入浴中に硫化水素中毒となり、病院に搬送されるという騒ぎがあったが、原因は換気扇の経年劣化による換気量不足だったらしく、改めて温泉管理・温泉利用の難しさを浮き彫りにした。ともかく、浴後も体に硫黄臭が残る満足度の高い温泉には違いない。
入浴料:800円
(2021年4月)
ほたる温泉/志賀プリンスホテル
志賀プリンスホテル
大展望風呂
無料開放風呂
野天風呂・長寿の湯
熊の湯平床の湯/単純温泉(中性低張性高温泉)
源泉温度43.5℃、pH=7.3、蒸発残留物=183mg/kg

平成3年に掘削したという温泉。
熊の湯スキー場から志賀高原側に少し下った道端に見える、濛々と蒸気を上げる平床大噴泉が、その源泉である。
熊の湯スキー場へは、志賀プリンスホテルの本館と別館の間の道を降りてゆくが、この別館の脇にある野天風呂が、ホテルのご厚意により無料開放されている。
野天風呂・長寿の湯という名称だが、実際には簡単な小屋掛けになっていて、道路沿いとはいえ充分目隠しになっている。但し、板壁には隙間があるので、覗こうと思えば覗ける。
ちなみに、無料ではあるが、表に寸志を入れる箱も置かれている。

一方で、別館最上階の大展望風呂も、立ち寄り入浴することができる。こちらは入浴料1,000円と、ちと高い。
表の本館フロントで料金を支払い、2基のエレベーターで地下3階まで降り、道路を隔てた別館まで地下通路でゆく。そこからまたエレベーターで最上階に昇れば、大展望風呂に到着する。
通路には黄色いラインテープが貼ってあり、エレベーターのボタンにも分かりやすく案内表示されているが、フロントから風呂まで係りの人が案内してくれた。
展望は、期待していたスキー場側とは反対向きで、本館の裏なども見え、まあどうでもいい風景である。
お湯は源泉掛け流しで、僅かに硫化水素臭があり無色透明。ステンレスの浴槽からは結構あふれている。
サウナもあるが、この日は火が入っていなかった。
無料のマッサージチェアもある。
大展望風呂/立ち寄り入浴時間:10時〜17時/入浴料:1,000円
無料開放風呂/入浴可能時間:7時〜21時(寸志箱あり)
(2008年5月)
※【2011年11月閉館】
木戸池温泉/木戸池温泉ホテル
木戸池温泉ホテル
内風呂
熊の湯平床の湯/単純温泉(中性低張性高温泉)
源泉温度43.1℃、pH=7.0

横手山・熊の湯方面は、焼額山方面と比べるとスキー場間の接続が悪く、クルマかシャトルバスでの移動を強いられるのだが、その中で他のゲレンデからまったく滑り込めないのが、木戸池スキー場である。
ベースとなる木戸池温泉ホテルでは、熊の湯平床の湯に入ることができる。
お湯は無色透明無味無臭で、源泉掛け流し。浴槽からはお湯がかなりあふれている。
私が訪れた時は、この年暖冬の影響か、3月中旬にも拘らず、志賀高原で唯一スキー場の営業をしていなかったが、電子チップのリフト券の補償料金の返金はしてもらえた。
立ち寄り入浴時間:14時〜20時30分/入浴料:500円
(2007年3月)
ジャイアントから西館山
高天ヶ原スキー場
志賀高原/東館山・西館山・ジャイアント

志賀高原はエリア全体としては実に広大だが、面白い斜面は分散していて、各スキー場間の移動コースというのは、だらだらの狭い通路だったり、上りだったりと、あまり面白くもなく、全山を一日で周ろうというのは徒労でしかない。
そこで、エリアを3つに分けて滑れば、比較的まとまりのあるスキーが楽しめる。
まず焼額山・奥志賀エリア、次が横手山・熊の湯エリア、そしてサンバレーから一之瀬ファミリーに掛けての中央部のエリアである。
この中央部は比較的小さなスキー場が軒を連ねており、そこここに名物コースを抱えている。ジャイアントもそのひとつで、朝一の硬く凍った一枚バーンは、なかなか迫力がある。

発哺(ほっぽ)温泉/薬師の湯
薬師の湯
内風呂
発哺温泉・館下温泉/単純硫黄泉(中性低張性高温泉)
源泉温度55.3℃、pH=6.24、湧出量=毎分50リットル、湧出形態=噴気造成

志賀高原スキー場の中央エリアに古くからある発哺温泉には、十数か所の温泉宿泊施設が軒を連ねている。
温泉街の脇には、発哺ブナ平スキー場があり、温泉街に溶け込むようにして、東館山ゴンドラの発哺温泉駅がある。温泉卵のような形をした、レトロなゴンドラに乗っていると、扉の隙間から温泉臭が入ってくる。

温泉の湧出形態は噴気造成と呼ばれるもので、湧き出しているのはお湯ではなく水蒸気である。この水蒸気と湧水を釜で混合し、温泉として取り出している。
単なる熱交換ではないので、できたお湯は硫化水素臭が強く、湯口には硫黄が析出するなど僅かな湯花も見られる。それを加温循環なしの掛け流しで投入しているが、温度調整のため加水しているとのこと。
薬師の湯には、フロントを挟んで右に大浴場、左に露天風呂があるが、距離が離れており裸移動はできない。
あいにく露天風呂は冬季は閉鎖されているが、その近くで、ほっぽ、ほっぽと蒸気が上がっているのが見られる。
今回、大浴場は学生のスキー合宿か何かで混んでいたが、露天風呂横の内風呂にゆったりと入浴することができた。
リフト修了時刻まで滑って立ち寄る。
入浴料:800円
(2007年2月)
志賀山温泉/ホテル渓谷
ホテル渓谷
雪景色の露天風呂
川原小屋温泉1号井/単純温泉(弱アルカリ性低張性温泉)
源泉温度37.6℃、pH=8.2

ジャイアントと西館山、発哺ブナ平の共通のベースとなるのが、志賀山温泉の旅館街である。旅館街の脇にはスキー場の駐車場があり、今回ここをベースに志賀高原を滑ってみた。
ホテル渓谷は10時から14時まで立ち寄り入浴できると玄関前に看板を掲げている。これらの旅館はゲレ食も兼ねており、ここで自慢のかつ重を昼食にとり、食後の温泉休憩を試みた。
リニューアルしたてなのか、浴室全体がまだ真新しい。
内風呂は無色透明無味無臭のお湯で、二口の湯口からは加温したお湯がドバドバ、ぬるい源泉がちょろちょろと出ている。
露天風呂はゲレンデとは反対側の渓谷に面していて、開放感がある。墨の粉のような湯花が、たくさん漂っている。
廊下にある分析表を見ると、川原小屋新源湯というのも別に掲示されていて、これが露天風呂の方なのかと思ったが、ホテルのホームページによると、別棟で使っているとのことだった。
立ち寄り入浴時間:10時〜14時/入浴料:600円
(2007年3月)

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