源泉温度90℃ 野沢の源泉は熱湯で、共同浴場の湯口からも触れれば火傷する熱湯が掛け流しで投入されている。草津湯畑のような空冷システムもないため、入浴するには加水しなければならず、その具合によって湯加減も異なってくる。 お湯はほのかに硫化水素臭が漂い、黒い糸屑状の湯花が多く見られる。味は特になく浴感はさらさらしている。 共同浴場は13個所あり、以前は地元の人と宿泊者のみが利用できるとなっていたが、2005年の野沢温泉公式ホームページによると、誰でも無料で利用できると書いてある。 シンボルの大湯には薬師三尊、他の12湯には十二神将が奉られており、入り口には賽銭箱が設置されている。 数箇所で浴室と脱衣所が別になっているが、ほとんどが一室対面式である。 温泉街は道路が狭く、専用の駐車場もないので、新田立体駐車場を使うか、スキー場の駐車場から無料シャトルバスを利用するのが良い。 日帰り利用者のマナーが低下している昨今、また地元民と宿泊者のみということにならないよう、最低限のルールとマナーは守りたい。
広大な面積、幅のあるロングコース、緩斜面からハードなコブ斜面まで、1日ですべて滑るには忙しいくらいに内容は充実している。 私は面白いコースを見つけてそこで長い時間を過ごすタイプであるが、このスキー場の面白いコース、チャレンジとシュナイダーは下部ゲレンデにあるため、天候が悪くてゴンドラが運休しているときでも、アテがはずれることなく滑ることが出来る。 また山頂部には、スキー場管理区域外とし、捜索救助費用は自己負担ですと謳いつつも開放されている自己責任エリアがある。興味本位に安易に入ってしまいがちだが、管理区域外なのでコース案内など無論なく、樹林帯に入ってしまうと進退窮まりかねない。高度な地形把握能力が要求され、それなりの覚悟がなければ入るべきではない。 2005年12月に行った時は、何十年ぶりかという連日の大雪に見舞われている最中だった。高速のインターを降りてからは、路面と路肩の雪の壁との境がわからない降り様で、風が吹こうものなら雪の壁から地吹雪が起こり、視界はゼロになってしまう。往路は上信道経由で行き、帰路は栄村を抜けて関越に出ようと考えていたが、現地の様子を見てやめた。栄村が通行止めになったのはこの後まもなくのことだった。 |
大湯 |
単純硫黄泉
大湯 手前が適温、奥は熱め
温泉街の中心にあり、野沢温泉のシンボル的存在。
浴槽は2槽に仕切られていて、手前は適温、奥は熱めとなっている。湯口から出るお湯は調整済みのものと推測され、カップが置かれていて飲泉もできるが、猫舌の私でも飲める程度だった。
麻釜源泉に近いが、泉質は単純硫黄泉で、麻釜とは違う成分になっている。
表の向かいには足湯もある。
(2005年12月)
河原湯 |
含石膏-食塩・硫黄泉
河原湯 お湯は熱め
大湯を下ったすぐ下にある。
私が訪れたときは、玄関前に積もった雪に足跡はなかったが、お湯は熱めながら入浴可能範囲だった。湯口のお湯は調整済みのものと推測される。
中は広く、浴槽は6人くらい入れる。
(2005年12月)
滝の湯 |
単純硫黄温泉
滝の湯 お湯はエメラルドグリーン
源泉温度73℃、pH=7.7
麻釜からしばらく坂道を上った突き当たりにある共同浴場。
私が訪れたときは、玄関前に積もった雪に足跡はなかったが、エメラルドグリーンのお湯は少しぬるめだった。湯口から出るお湯も同様で、調整済みのものと推測された。
浴室、浴槽は狭い部類。
(2005年12月)
麻釜の湯(あさがまのゆ) |
含芒硝-石膏・硫黄泉
麻釜の湯 沸騰寸前の熱湯
麻釜の直下にあり、ここから引湯している。
浴槽には湯口と水道の蛇口があり、常に水道水が加水されている。湯口のお湯は源泉が近いだけあって、触れれば火傷する熱湯なので、加水しなければとても入れるものではない。浴槽には5人程度入れるが、湯口の近くにはとても居られない。
(2004年3月/2005年12月)
真湯(しんゆ) |
単純硫黄温泉
真湯 お湯はエメラルドグリーン
源泉温度61.2℃、pH=7.6
ちょっとわかりにくい場所にある真湯は、麻釜の湯から下りてきた道路のひとつ裏側の路地にある。見た目に美しい澄んだエメラルドグリーンのお湯は、加水なしでは2秒と入っていられない激熱である。慌てて上がるとその場で筋肉がしばらく硬直してしまうほど強烈だった。入った時に硬直すると煮物になってしまうだろう。
気を取り直して水道の蛇口をひねってドバドバと加水し、その下で体育座りしているのがやっとの有様である。熱くて脚は伸ばせない。
後から来た、外で雪掃きをしていた街の人たちは、これは外が寒い所為ではなく本当に熱い、よくこれに入ったなとあきれていた。皆でお湯をかき回すだけで、私が着替えて帰るまで誰も入らなかった。
ちなみにこの日はドアのオートロックが掛かっていて、外から開けられない状態だった。近くで雪掃きをしていた若旦那風の人に話すと、嫌な顔一つせず、1メートル以上も積もった雪の中にガボガボと分け入って裏から入り、中から開けてくれた。大変恐縮してしまったが、野沢温泉の街の人の暖かさに触れられた出来事だった。
(2005年12月)
上寺湯 |
麻釜源泉を引湯
上寺湯 気持ちよく入れる
源泉温度82.4℃、pH=8.8
野沢では歴史の古い湯で、この日は適温に保たれていた。全身を伸ばした心地良い湯浴みができた。
(2005年12月)
熊の手洗湯 |
含石膏-食塩・硫黄泉
熊の手洗湯 右が適温、左が熱め
熊が発見したという古いお湯。
浴槽は中央で仕切られていて、奥が適温、手前が熱めながら入浴可能範囲となっている。湯口からのお湯は触れないくらい熱かった。
雪の降る日は雪が中まで入ってきてしまい、脱衣棚の中まで雪が積もっていた。
この路地の入り口に独立した湯屋があるが、これは共同浴場ではなく洗濯場なので入らないように。
(2005年12月)
横落の湯 |
麻釜源泉使用
横落の湯
源泉温度81.9℃、pH=8.9
民宿組合案内所の地下にある共同湯で、お湯は非常に熱く加水なしではとても入れない。
私が訪れたときは清掃直後だったらしく、お湯はまだ30cmほどだった。加水してなかったため成分表のスペック通りの熱湯である。水道の蛇口を全開にして、そこに体育座りをして間抜けた尻浴をした。水道水の加護の元にしかいられず、火傷する危険があるため脚は伸ばせない。浴槽は6人程度入れる広さ。ここは浴室と脱衣所がガラス戸で仕切られている。
(2005年12月)
松葉の湯 |
含石膏−ナトリウム・カルシウム−硫酸塩温泉
松葉の湯 薄く白濁し、白く大きい湯花が漂う
源泉温度83.2℃、pH=8.7
他の浴場の湯花は黒い糸屑状だが、ここ松葉の湯だけは、この日は少し白濁したお湯に大きく白い湯花がたくさん漂い、さながら白湯スープの様相を呈してた。いや、卵臭もするし卵スープと言った方が適当だろうか。とにかく卵白を溶いたように湯花がやたらと大きい。
お湯は適温で、見た目も独特、13湯中最も気に入った浴場となった。ここは脱衣所と浴室がガラス戸で仕切られている。
(2005年12月)
十王堂の湯 |
含石膏−ナトリウム・カルシウム−硫酸塩温泉
十王堂の湯
源泉温度78.2℃、pH=8.8
成分表のスペックは松葉の湯に近いが、見た目はほとんど透明だった。
女湯を1階、男湯を2階に造ることで浴場の広さを確保しており、浴槽も13湯の中では広く、中央の仕切り板もないのでより広く感じる。半分に仕切られていた場合、片方の熱湯に入れる人は少ないが、全体を一般的な適温に保つことで、より多くの人が入れるようにしている。観光客受けする外観ではないが、地域の人たちのための銭湯という趣を感じさせる実用的な構造である。
お湯は適温でのんびり浸かれるが、投入されているお湯は油断のならない熱湯で、お湯が注がれるところは木箱で囲う気遣いまでされていた。
(2005年12月)
秋葉(あきは)の湯 |
大釜・御嶽の混合泉
秋葉の湯 若干の湯花が漂う
単純硫黄温泉(低張性アルカリ性高温泉)
源泉温度70.82℃、pH=8.6、蒸発残留物=899mg/kg
2005年に訪れた時は施錠されていて入れなかったが、2013年に入浴できた。お湯は適温で貸しきり状態。気持ちよくくつろげた。
白い湯花が若干見られ、男女浴室の他、奥の方に野菜の洗い場を備えている。
入り口には賽銭箱が設置されているので、入浴料代わりに浄財。
(2013年1月)
新田の湯 |
茹釜・下釜の混合泉
新田の湯 鮮度の良いお湯
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉(低張性アルカリ性高温泉)
源泉温度81.9℃、pH=8.9、蒸発残留物=1,029mg/kg
新田駐車場の前を少し登ったところにある共同湯で、脱衣所と浴室がガラス戸で仕切られている。
投入されているお湯は非常に熱く、湯気が濛々と立ち込めている。
2005年に訪れたときは、先客のおじさんがドバドバと加水し、熱いお湯を桶でズバズバと汲み出して捨てていたが、何とももったいない話である。
ちなみにおじさんが熱くて入れないといっていたお湯は、私には入浴可能範囲だった。
2013年に再訪した際は、適温のゆったりくつろげるお湯だった。
(2005年12月/2013年1月)
中尾の湯 |
茹釜・下釜の混合泉
中尾の湯 間仕切りのある浴槽
含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉(低張性アルカリ性高温泉)
源泉温度81.9℃、pH=8.9、蒸発残留物=1,029mg/kg
13湯の中で麻釜から最も遠くにある外湯で、麻釜から引湯されているとのことだったが、2005年に初めて訪れた時は、もの凄く熱いお湯だった。浴槽中央の仕切り板のところに給湯口があり、木の蓋で流入量を調整することで温度調節できるようだが、広い方は何とか入れたものの、狭いほうはとてつもなく熱く、雪掃き作業を終えた地元の屈強な男達ですらも、熱い熱いと誰一人入れなかった。
2013年再訪の折は両方とも適温のゆったりくつろげるお湯だった。
(2005年12月/2013年1月)
野沢温泉アリーナ |
向林温泉
野沢温泉アリーナ
単純硫黄冷鉱泉(低張性アルカリ性冷鉱泉)
源泉温度23.5℃、pH=9.6、蒸発残留物=309mg/kg
柄沢ゲレンデ近くにあるスキーシーズンのみ営業する総合リラクゼーション施設。入浴施設は15時からの営業だが、レストランは早朝6時30分から利用できる。
野沢温泉にあって意外ともいえる冷鉱泉の沸かし湯で、白濁したお湯は循環と塩素消毒をしている。温泉食事付きパック券を利用すると良い。専用駐車場完備。
12月〜3月無休/入浴営業時間:15時〜20時30分/通常料金:600円
(2013年1月)
その名前からパーキングビルをイメージしていると、ここは見つからない。 何故なら、野沢温泉街はスキー場から続く傾斜地にあり、道路から見ると雪に埋もれた屋上と管理棟しか見えていないからだ。駐車場の入り口は3階で、出口は1階になる。しかも道路わきはバスターミナルになっていて、少し引っ込んでいる駐車場はさながら地下シェルターの様相だ。 ここを見つけるには、新田バスターミナルを目印にすると良い。道路わきにバスが転回できる広いスペースがあったら、その地下が立体駐車場である。 1時間100円の機械精算式。車高は2.1mくらいまで、3ナンバー車でも入れ、収容台数は100台ほど。 注意しなければならないのが、1階の出口から道路に出るのに、車体が右に傾倒した状態で坂道に一時停止し、雪の壁で見通しの効かないT字路を左折して坂道を登らねばならない点で、積雪の状態によっては、スリップして雪の壁に車体が張り付く危険があるので、運転は慎重を期さねばならない。 ちなみに、温泉街全体が傾斜地にあるため、共同浴場もその例に漏れず、移動の度に登り降りを強いられる。私が雪の中で13湯巡りに要した時間は3時間30分ほどで、駐車料金は400円だった。 |
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