クワガタムシやカブトムシを飼育していると、不要になった色々な廃棄物が発生するが、これらは少し工夫すると他の飼育に再利用することができる。
ここでは、できるだけ捨てないでリサイクルするという観点で、その一例を挙げたいと思う。
但し、再利用することができるというだけで最適な方法ではなく、また使用用途については実験により効果を確認していない項目も含まれているが、興味のある方は是非試して頂きたい。
- カブトムシ幼虫の糞
- 菌糸ビンの残り
- 使用済みマット
- 使用済み産卵木
カブトムシの幼虫は食欲が非常に旺盛なので、マットや腐葉土は固い部分を残してほとんど全部が食べられ糞に変わっていく。 多数飼育しているとその分解速度は凄まじく、大量の糞が発生することになるが、これらはすり潰して再利用するという方法がある。
まずカブトムシ幼虫の糞を取り出す必要があるが、糞は比較的大きくて固いので、マットをふるいにかければ糞だけを取り出せる。
しかし、大量のマットをふるいにかけるのは結構時間がかかるので、糞だけを分別する手間を省くために、マットが糞でいっぱいになるまでエサ交換をしないという方法もある。
但し、マットが完全に糞だけの状態になると幼虫を断食させることになってしまうため、適度なところで見切る必要がある。
取り出した糞は適当な棒などを使ってすり潰すだけで、簡単にリサイクルマットが完成する。
元々使用していたマットによって糞の状態はかなり変わるが、朽木や発酵マット等の木屑を多く与えていた場合は、糞の中身にまだ未消化の木屑等が含まれており、
土状のものと細かい木屑が混じった状態になり、完熟マットのような分解の進んだマットが出来上がる。腐葉土のみを与えていた場合は、土に近い状態になる。
使用に際しては、コバエや雑菌が発生する可能性もあるので、熱処理をしておいた方が無難と思われる。

カブトムシ幼虫の糞

糞をつぶした状態
使用用途 | 説明 |
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カブトムシ幼虫のエサ | 一番単純な使用用途は、糞をそのまま再びカブトムシ幼虫に与えることである。幼虫は黒く固まった糞は一切食べないが、潰して粉末状にしたものは食べてくれる。
糞の状態にもよるが、朽木や発酵マット等の良質なエサを与えていた幼虫の糞であれば、栄養的にそれほど問題なく順調に成長しているようだ。
好みにより小麦粉等を添加しても良いかも知れない。 但し、毎回繰り返していくと当然ながら栄養素は減っていくため、あまり好ましいとは言えず、あえて糞を与える利点は全くない。 逆に孵化直後の初令幼虫にとっては、細かく分解の進んだリサイクルマットは最適だと思う。 |
カブトムシ成虫飼育、産卵用マット | 高価な新品マットを使用するのは少しもったいないので、リサイクルマットで十分。 幼虫の糞の臭いによる産卵誘発作用もありそうで、♀の産卵場所としては最適だと思う。そのまま初令幼虫の飼育に移行できるという利点もある。 |
ミヤマクワガタ産卵用マット | 黒土や腐葉土を細かく粉砕したものが適しているが、カブトムシ幼虫の糞はこれとほぼ同じ状態である。ほとんど土化した状態のものでも、元々黒土を使用するのであるから問題なく使用できそう。 更には小麦粉を少し添加して、幼虫飼育に使用しても良いかも知れない。 まだ試した事はないが、来期は使用してみようと思う。 |