【 アマミシカクワガタ 】 Rhaetulus recticornis
アマミシカクワガタ Rhaetulus recticornis | |
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体長 | ♂22.0〜48.0mm、♀19.5〜30.4mm (2012年現在の飼育個体最大は♂56.0mm) |
分布 | 奄美諸島(奄美大島、徳之島)![]() |
形態 | ♂♀共に黒色で、シカクワガタ属では最も小型の種類。 ♂は全身艶消し状で、前胸側縁に鋸状の突起を有する。 大アゴは根元から斜め上方に湾曲し、根元1/3付近から下側に緩やかに曲がる。 根元から3/5付近に三角形状の内歯があり、前後に鋸歯がある。また大アゴ根元上下に小さい内歯が有り、大型個体では先端付近に上向きの内歯が現れるが、中型以下の個体では消失する。 ♀の胸部は光沢があり、♂同様に前胸側縁に鋸状の突起が並ぶ。 大アゴの内歯は左側だけ先端が二又に分かれる。上翅には薄いスジ模様がある。 |
生態 | 標高200m以上にあるアカメガシワ、シイ等の広葉樹の樹液に集まり、大木の高所に見られることが多い。
成虫は6月〜9月に発生し、8月後半に最も個体数が増す。夜間の活動が中心となり、飛翔性はやや高い。 幼虫は地中の朽木に多く見られる。幼虫期間は1〜2年で、朽木から脱出して土中に蛹室を作る。 |
寿命 | 活動を開始してからの成虫の寿命は3〜4ヶ月程度で、越冬することはない。 |
採集 | 【難易度】 ★★★☆☆ 果実トラップが有効で、灯火にも集まるが、個体数が少なく採集はやや難しい。 ♂40mm以上の個体は少なく、小型個体が大半を占める。 |
飼育 |
◆成虫飼育 【難易度】 ★★☆☆☆ 成虫の飼育は難しくないが、♂は気性が荒いためペアリング時以外は個別に飼育する方が無難。 ◆産卵方法 【難易度】 ★★☆☆☆ 成虫の成熟期間がやや長いため、後食開始後1ヶ月以上経過してからペアリングした方が良い。 産卵木にもマットにも産卵するが、材の表面に産卵することが多い。産卵木は柔らかめの物を選び、マットに3/4ほど埋めてセットする。マットは発酵の浅い一次発酵の微粒子タイプが好ましい。 卵で取り出すと生存率が下がるので、2令幼虫での取り出しが無難。 ◆幼虫飼育 【難易度】 ★★☆☆☆ 幼虫はマット飼育が基本で、発酵が浅めのマットを使用し、水分量は若干多めが良い。 カワラタケ系菌糸ビンによる飼育も可能だが、死亡率が上がる。飼育最適温度は18〜24℃。 幼虫期間は8〜12ヶ月程度で、羽化した季節により活動開始時期が異なり、晩夏に羽化した個体は翌年初夏まで休眠することが多い。 |
備考 | 日本固有種で、亜種は存在しない。 |
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