【 オニクワガタ 】 Prismognathus angularis
亜種棲息地
Prismognathus angularis angularis北海道、本州、四国、九州 etc、サハリン
Prismognathus angularis morimotoi九州中南部
◆原名亜種 ○亜種 日本産 

オニクワガタ (原名亜種)
Prismognathus angularis angularis Waterhouse,1874
オニクワガタ♂オニクワガタ♀
体長17.0〜26.1mm、16.0〜23.0mm
分布北海道、利尻島、本州、四国、九州北部、佐渡
(国外では、サハリンにも棲息する)
形態小型の種類で、♂♀共に黒色。光沢はやや強く、前胸後角が深くえぐれている特徴を持つ。
の大アゴは短めで上向きに湾曲する。根元に1対の内歯、先端には上向きの大きな内歯を有し、中央から先端にかけて小歯が並ぶ。 個体サイズによる大アゴ形状の変異は少ない。
は光沢が強く、大アゴは根元と先端にそれぞれ内歯を有する。
生態標高1000m程度のブナ帯に多く生息しているが、地域によっては低地でも見られる。
成虫の活動期間は7月下旬〜9月上旬頃で、昼夜問わず活動し、倒木上を歩いていることが多い。樹液に集まることはなく、ほとんど後食していないと考えられる。飛翔性はやや高い。
産卵形態は材産みで、幼虫はブナの倒木など柔らかめの朽木に多く見られる。蛹室は朽木内に作り、幼虫期間は1〜2年。蛹室内で成虫越冬することはなく、初夏に羽化し、その年に野外活動した後死亡する。
寿命活動を開始してからの成虫の寿命は1ヶ月程度で、越冬することはない。
採集【難易度】 ★★★☆☆
成虫は樹液には集まらないため灯火採集が中心となるが、活動期間が短く、時期が合わないとあまり採れない。 材割りによる幼虫採集は比較的容易。
飼育 ◆成虫飼育
【難易度】 ★★☆☆☆
成虫の飼育は難しくないが、高山種のため高温に弱く、25℃以下の低い温度で飼育する必要がある。 野外ではほとんど後食しないと思われるが、飼育下では少ないながらゼリーを舐める様子が観察できる。

◆産卵方法
【難易度】 ★★☆☆☆
羽化後2週間程度で交尾、産卵が可能。活動期間が短いため、ペアリング、産卵セットは速やかに行う必要がある。 採卵は比較的容易で、産卵木にもマットにも産卵する。産卵木は水分やや多めの柔らかい物を選び、マットに3/4ほど埋めた方が良い。

◆幼虫飼育
【難易度】 ★★☆☆☆
マット飼育、材飼育が可能。22℃以下の低めの温度での飼育が望ましい。
基本的には1年1化で羽化するが、2年1化になる場合もある。
備考ヤクシマオニクワガタはこれまで本種の亜種Prismognathus angularis tokui とされていたが、2010年に独立種Prismognathus tokui に格上げされた。
写真矢印 『Photo Gallery』
キュウシュウオニクワガタ (亜種)
Prismognathus angularis morimotoi Y.Kurosawa,1975
体長15.2〜24.9mm、15.7〜22.0mm
分布九州中南部(緑川〜五ヶ瀬川以南)
形態原名亜種と比較し体型はやや太短い。♂の大アゴ先端は内側を向いており、前胸後角のえぐれが深い等の特徴があるが、原名亜種との差異は微小。
生態原名亜種と同じ

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