【 スジブトヒラタクワガタ 】 Dorcus metacostatus
スジブトヒラタクワガタ
Dorcus metacostatus Kikuta,1985
スジブトヒラタクワガタ♂スジブトヒラタクワガタ♀
体長23.0〜70.1mm、26.2〜41.2mm
(2012年現在の飼育個体最大は71.2mm)
分布奄美諸島(奄美大島、加計呂麻島、請島、与路島、徳之島)
矢印 棲息分布図 (小窓表示)
形態♂♀共に艶消しの黒色。
体型は非常に幅広く、♂♀共に上翅に太く明瞭な縦隆条(スジ模様)があるのが特徴で、は小型の個体の方が縦隆条がはっきりしている。
の大アゴは太く直線的で、先端は大きく内側に湾曲する。第一内歯は中間からやや先端よりに位置し、大きく発達した先端歯を有する。
の頭部、前胸は粗い点刻に覆われており、上翅の縦隆条はよりも明瞭に現れる。
生態成虫は夜間の活動が中心で、シイやカシの樹液に集まる。
同地域に分布するアマミヒラタクワガタ、トクノシマヒラタクワガタよりもやや高標高地域に多い。 また、アマミヒラタは8月以降に多く見られるのに対し、本種は7月までの個体数が多い。
♂♀共に極めて好戦的で、大アゴの挟む力も非常に強い。
幼虫は朽木の根部や倒木等の柔らかめの朽木に見られ、幼虫期間は1〜2年。
寿命飼育下では、活動を開始してからの成虫寿命は1〜2年で、成虫での越冬が可能。
採集【難易度】 ★★☆☆☆
果実トラップが有効で、灯火にも集まる。
比較的個体数は多いが、40mm程度の小型個体が大半で、60mm以上の大型個体はほとんど見られない。
飼育 ◆成虫飼育
【難易度】 ★★☆☆☆
成虫の飼育は難しくないが、♂♀共に極めて好戦的で、同士だけに限らず♂♀のペアであってもペアリング時以外は個別に飼育するのが基本。 ペアリングの際もを噛み殺す危険性が非常に高いので、良く観察しておく必要がある。
マットの湿度は若干高めが良い。

◆産卵方法
【難易度】 ★★★★☆
産卵形態は材産みとマット産みの両方に対応するが、産卵させるのは難しい。
セット方法は、十分に柔らかく水分量の多い産卵木を、湿度高めでかなり発酵の進んだマットに完全に埋めておくのが良い。

◆幼虫飼育
【難易度】 ★★★☆☆
幼虫飼育は若干難しい。他のクワガタより死亡率が高く、60mm以上の大型を羽化させるのは難しい。
飼育方法はマット飼育が基本だが、菌床飼育、材飼育も可能。マットは発酵が進んだものを使用し、水分量はやや多めが良い。菌床飼育では大型となるが、死亡率が高い。
備考日本固有種で、亜種は存在しない。
写真矢印 『Photo Gallery』

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