【 オオクワガタ 】 Dorcus hopei
亜種 | 棲息地 |
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◆Dorcus hopei hopei | 中国 |
○Dorcus hopei binodulosus | 北海道、本州、四国、九州 etc |
◆原名亜種 ○亜種 日本産
オオクワガタ (亜種) Dorcus hopei binodulosus | |
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体長 | ♂21.0〜76.6mm、♀22.0〜48.0mm (2012年現在の飼育個体最大は♂87.1mm) |
分布 | 北海道、本州、四国、九州、対馬 (国外では、朝鮮半島にも棲息する) |
形態 | 体色は♂♀共に黒色。 ♂の大アゴには中央やや先端よりに内側前方向きの大きな内歯があり、個体の大きさにより形状が異なる。 大型の個体ほど先端よりに位置し内側前方を向き、中型では中央に内側直横向き、小型では根元に内側後方向きとなり、はっきりしない場合もある。また、小型の♂では光沢が強くなり、上翅に点刻列(スジ模様)を持つ。 ♀は全体的に強い光沢があり、上翅に点刻列を持つ。 |
生態 | 隠れ家となる樹洞や樹皮めくれのある、若干開けた場所に立つ台場クヌギに良く見られるが、棲息地域は局地的で数もあまり多くない。
夜行性で警戒心が非常に強く、日中は樹洞に潜んでいることが多い。 成虫の活動期間は5月〜9月頃までで、主に広葉樹の樹液をエサとするが、他の昆虫を捕食する獰猛な一面もある。 ♂は縄張りを持つため、同じ木に2匹以上の♂がいる事はあまりないが、樹洞に♂♀が一緒にいることは良くある。 大アゴの挟む力が非常に強く、国産クワガタムシの中では最も強い。 飛翔性はあまり高くないが、夜間、街灯等の明かりに飛来する事もある。 産卵形態は材産みで、クヌギの立ち枯れ等、比較的硬い白枯れ部分に産卵する。蛹室は朽木内に作り、幼虫期間は1〜2年。 コクワガタとは近縁種で、稀に雑種が生まれることがあるが、生存率が低く、ほとんどの場合が♂となる。 詳細は 『オオクワガタ解説』 参照。 |
寿命 | 飼育下では、活動を開始してからの成虫寿命は3〜5年と他のクワガタと比較し長命で、成虫での越冬が可能。 |
採集 | 【難易度】 ★★★★☆ 個体数はあまり多くなく、警戒心が非常に強いため、採集は極めて困難。 ルッキング、材割り、灯火採集が中心で、果実等のトラップには集まらない。 樹液の出ている台場クヌギの樹洞や樹皮めくれに潜んでいることが多いが、樹液採集は非常に難しく、灯火採集の方がはるかに効率が良い。 野外では、♂70mm以上の大型個体は極めて少ない。 幼虫はクヌギの立ち枯れ等で見られるが、材割り採集は労力を要する上、生育環境破壊につながるので、推奨しない。 |
飼育 |
◆成虫飼育 【難易度】 ★☆☆☆☆ 寿命が長く丈夫であり、乾燥にも強いため、飼育は極めて容易。 但し、縄張り意識が強く、争いのため死亡する場合もあるので♂同士は個別に飼育する方が無難。 ♂♀は仲が良いので、ペアでの飼育は問題ない。 ◆産卵方法 【難易度】 ★☆☆☆☆ クヌギ等の手頃な産卵木を加水して、マットに半分くらい埋めておけば、容易に産卵させることができる。産卵木はやや固めが良い。 ◆幼虫飼育 【難易度】 ★☆☆☆☆ 幼虫も非常に丈夫で、マット飼育、菌糸ビン飼育、材飼育のいずれも可能。 菌糸ビン飼育では♂70mmを超える大型の個体が比較的容易に得られる。 ほとんどの個体が1年1化で羽化するため、初心者でも簡単に累代飼育できる。 詳細は 『オオクワガタ飼育マニュアル』 参照。 |
備考 | Dorcus hopei hopei の亜種であり、原名亜種ではない。 |
写真 | 『Photo Gallery』 |